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この街・あの人・どんな顔       山崎 久雄    2013/9/05掲載

「この街・あの人・どんな顔」

「極性フリー電池ボックス」を開発
山崎 久雄

やまざき ひさお 1972. 3. 1生 東京都出身 相模原市在住

連絡先
 kyokusei_free@yahoo.co.jp

製品を説明
↑回路をわかりやすくするための作品で説明する。

「懐中電灯もリモコンも、電池の出し入れがもっと楽になるシステムです。4本必要なところに3本しかない時でも、電力さえ足りれば使うことができます」

 

『極性フリー電池ボックス』。山崎久雄さんが考案したシステムの名だ。乾電池のプラスとマイナスを考えず、バラバラに入れても使えるというもので、製品化を目指している。


 ユーザー目線から考えて
 乾電池にはプラスとマイナスがあり、正しく入れなければならない。それは当たり前で、疑うこともなかったが、言われてみればなるほどである。年齢とともに、電池ボックスに書かれた記号が見づらくなってくる。視覚に障害がある方はなおさら不便であろう。
 山崎久雄さんは、大手電気製品のメーカーに派遣社員として勤務していた。そこでの仕事は『信頼性評価』。部品ごとに製造され組み立てられた製品が、正常に動き、発煙発火などのトラブルを起こさないか、安全性と使いやすさをユーザー目線でチェックすることだ。
「製造側があり得ないと思うような使い方もしてみます。使う環境はさまざまですから。あくまでも、ユーザーの立場で考えます」  乾電池の常識に疑問を抱いたのも、そんな職場でだった。
「消費者には電気の知識が特にないという人も多い。電池のプラス・マイナスだって、エンジニアには当然のことだけど、ユーザーにとっては面倒なことなのかもしれない」
 そんな発想から、プラスマイナス関係なく使えるようにならないか考え始めた。電池がひとつなら無極化した製品は既にあるが、複数本使うものは市場にはない。
「目の不自由な人や、お年寄りや、暗闇で作業する人や…誰がどうやっても着く。懐中電灯も、ラジオも。それができればいいと考えました」
 設計図を描き、構想と実験を重ねて試作品を完成させた。『極性フリー電池ボックス』と名付け、2010年12月、特許を出願した。
「昔からある回路を応用して作ったものなので、安全面でのリスクは低いはずです」

 慣れない営業に四苦八苦
 工業高校の電子科を卒業後、電気関係のメーカーに就職した。転職をし、派遣社員で前出の仕事に就いた。が、不況とともに契約を切られ、アルバイトを経て、現在は『極性フリー電池ボックス』の売り込みに専念している。
「ずっと現場でしたから、営業のノウハウもなく、何をどう話せばいいかもわからない。売り込みに行った会社で、相手の営業社員の方にアドバイスされたこともありました」
 景気は上向いているといわれているが、実感は遠い。新しい製品を開発するにはコストがかかり、一定数売れなければ採算が合わない。少数の弱者がいることを承知であっても企業には難しい選択となる。
「でも、あれば便利だと思うんです。電池の向きだけではなく、本数が足りない場合や、新旧混ぜて使っても、正常に通電しますから」
 物資の足りない被災地などでもきっと役立つだろうと話す。

 人にやさしい製品を
nite(ナイト・独立行政法人 製品評価技術基盤機構)の調査によると、平成19年度〜23年度に起きた電池に関連する事故は557件。そのうち、電池の逆装てんによるものは6件で、人的被害は4件あるそうだ。この数字には入らなくとも、不自由な思いをしている方は多いはずだ。
 不便さも事故もない方がいい。それを解消するのは、ユーザー目線の声と専門家の技術だろう。誰もが使いやすく、安全であってほしい。
 ホームセンターや百円ショップでそろえた材料を使って、自宅の小さなテーブルで作られた試作品が、山崎さんの手元から飛び立つ時がくるのが楽しみだ。

 

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