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この街・あの人・どんな顔       小栗 久江    2013/2/05掲載

「この街・あの人・どんな顔」

朗読サークル「あめんぼ」「おはなし飛行船」代表、ひとり語り
小栗 久江

おぐり ひさえ 1950. 1.17生 川崎市出身 相模原市在住

「私の『語り』は、『朗読』と『ひとり芝居』の中間のイメージです。冷めた人間と思い切り表現する人間が共存するような…」

小栗久江 ひとり語り公演

「第4回 図書館ひろば」
相模原市立図書館 入場無料
平成25年2月11日(祝・月)
10:35〜12:10 大集会室

演目
「ちっちゃいかみさん」平岩 弓枝 作
「山 桜」藤沢 周平 作


 

1999年、小栗久江さんの第1回目の「ひとり語り」公演が大野台公民館で開催された。観客の「次はいつ?」の声に背中を押されて定期公演となり、今年第30回目を迎える。優しく強く、胸の奥の方へ投げかけるようなひとり語りは聞く人の心を惹き付けて止まない。


 演劇から朗読へ
 若い頃の何気ない出会いや行動が、その人の人生を方向づけることがある。小栗久江さんも、そんな奇遇とも運命とも思える出来事から、生涯を共に歩む『仕事』と出会ったひとりだ。
 大学の『芸術鑑賞』の授業で、見るだけのつもりで演劇を選択した。ところが授業は演劇の実践。
「演劇とはまったく無縁だった私が、どこをどう間違ったのか…(笑)」
 台本の読み合わせをしたところ、主役に指名され、初舞台が終わる頃には、その面白さにすっかり魅せられてしまっていた。
「もっと芝居をやりたいという…そんな欲が出ちゃいまして」
 演劇の研究サークルに入会。そこで指導者から「君は朗読に向いている」と助言された。
「そこから朗読人生が始まってしまいました(笑)」
 朗読の勉強をするため、時間の自由がきくアルバイトをした。今のようにカルチャーセンターなどはほとんどなく、やっと見つけた通信教育を1年間受けた。次に小さな新聞記事から、元NHKアナウンサーの高橋博氏を知り、手紙を書いて直接指導を1年ほど受けることができた。

 自分を活かせる 「語り」
 子育てに専念した期間も、読み聞かせ、素話、紙芝居と、小栗さんは自らの可能性を探り続けた。
 平成6年に大野台公民館が開設され、小栗さんは図書室職員となる。そこで子どものためのお話会を立ち上げ、朗読サークルを作った。
 勉強のために『朗読を楽しもう』という本の著者、松丸晴生氏に講師を依頼したところ快諾され、以後10年にわたって指導を受けた。
「松丸先生から教えていただいたことは、高橋先生とならび、今でも私の宝物です」
 どのような方法で、何を読み、語るのか、どう表現していくのか。小栗さんの中で、少しずつ自分のスタイルが見え始めた。

 「聞く」という世界観
 『朗読』『語り』『素話』をはっきり分けることは少し難しいかもしれない。小栗さんが試行錯誤してきた中で、自分自身に一番合うと感じたものが、最終的に『ひとり語り』という形になった。
「感情を込めて表現する部分と、傍観者のように一歩退いて語る部分、また、読む速さ、強さ、間、何度も試して組み立てていきます」
 初めて披露する作品も、小栗さんにとっては百数回目の語りになる。数回上演している作品でも、新しい発見を追い求めるため、準備には一ヵ月以上かけると言う。
「開催する場所や、会の趣旨に応じて、作品を選んでいます。その中でも、時代物、特に人情物は好評のようです。私の特徴を一番活かせるのかもしれません」
 1月のある日、上九沢の『カナリヤの森』で公演があり、小栗さんは2編の時代物を選んだ。
「苦しくてもつらくても、いつか幸せの兆しが見える。そんなふうに、誰もが気持ちの奥底に大事に温めているような…そういう作品を選びました」
 絵も画像も音楽もない。ただ、ひたすら聞く。観客は、語り手の顔を見たり、目を閉じたり、さまざまに聞く。その立場や経験からも、思い浮かべる情景は千差万別であろう。しかし、なんともいえない共有感が場に漂う。小栗さんが作り出す『聞くこと以外、なにもない世界』に浸る、揺らぐような心地よい共有感を味わうのだ。



公演の様子

『カナリヤの森』にて

 

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