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この街・あの人・どんな顔       石井 岳城    2012/10/05掲載

「この街・あの人・どんな顔」

1985年極小文字世界ギネスブック公認記録保持者と掲載された
  石井 岳城

いしいがくじょう 1940. 4. 8生 千葉県出身・相模原市在住


作品画像

米粒に桜やあやめなどの絵が書かれている

「人間がやれることなら自分にもできるはず。どこにもないものを作ってみせるっていつも思っているよ」
 

小さな物に小さく小さく文字や絵を書く。3ミリ×5ミリほどの米粒に般若心経を書き、フリガナもつける。髪の毛にも般若心経を書く。1ミリ四方の豆本を作り、ことわざ集を書く。ミクロ工芸家 石井岳城さんの世界はどこまでも小さい。小さい中に無限の世界が広がっている。


小さな小さな、大きな世界
 米をひと粒、左手でつまみ、筆ペンの先端を滑らせて文字を書く。見ていて思わず息を止めてしまったが、石井岳城さんは真剣な表情をふと緩めた。
「最初の点を打ったら、あとは話しながらでも大丈夫。ほら」
 差し出された米粒をルーペで見ると、記者の名前と生年月日が3行にわたって書かれていた。
「これをお守りに欲しいという方もいるの。米は愛知県の善光寺別院で祈祷してもらった物。こっちは凧。3ミリ四方の。1ミリのも書いたけど、どっかいっちゃったんだよ(笑)」
 テーブルの上に数十という数の作品が並ぶ。どれもルーペなしでは見られないものばかりだが、制作は肉眼で行うというから驚きだ。

 病を乗り越えて
 白髪に「TOKYO JAPAN」と書いて、1985年世界ギネスブックに公認記録保持者と掲載された。
「5歳ぐらいから、小さい物に興味を持って書き始めたの」
 趣味として書き続けていたが、工芸展での実演や、制作の依頼が増え、30代後半で本業とした。
「実演ではお客さんが行列を作ってね、ひとり3分で書いて渡して、『ただいま何十分待ちでーす』ってね(笑)」
 家に帰る時間もないぐらい忙しかった頃、脳梗塞で倒れた。
「なんかおかしいな、と思っていても病院に行く暇がなかったからね」
 その2年後、目に異常を感じた時もなかなか病院に行けず、片目の視力を失うことになってしまった。
「今は慣れたよ。片目でもちゃんと書けるし、人混みでもぶつからずにササッと歩ける(笑)」
 話しながら「あれ、見せようか」とすぐに立ち上がる。工芸展などで全国を回る時は電車と新幹線。
「苦じゃないよ、好きだから」と笑う。

 次は何に書こうかな
 テレビや雑誌などにも多く取り上げられた。医療を扱った映画で心臓外科医が訓練する手元を演じたこともある。
「若い俳優さんの手なんて無理だと思ったけど、映っていたのはピンセットだったよ(笑)」
 細かい作業に関しては、さまざまな方面から『この人ならやれるかも』と打診される。昨年は『芸術新潮』からの依頼で3センチ四方のワクに五百羅漢を書いた。
「次は5×3センチ四方に千人羅漢を書きたい」
 いつも『次』のことを探しているのだと言う。何に書いたら人を驚かせられるのか、何を書いたら感動してもらえるのだろうか、と。
「ノミを300匹つかまえて、1字ずつ、般若心経を書きたい。誰もやらないでしょ」
 いたずら小僧のような好奇心と、決して諦めない向上心が、若さの秘訣に違いない。

作品画像

写真上から 
@「はい、できた」目の前で書いてくれたお米には『子供は国の宝』とあった。
A線はすべて「しゃらく」の文字
Bどんなケースに入れ、どのように見せようかと、いつも考えている

 

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