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この街・あの人・どんな顔 2006/03/05掲載

グリーンウッドワーカー
    井丸 富夫

いまる とみお  1953. 7.26生

●プロフィール
大分県生まれ
幼少期に大田区大森に転居。
結婚後、相模大野に数年暮らし、
平成元年から津久井で暮らす。

■グリーンウッドワーク 緑のクラフト
http://www.tomio-imaru.com/


ラトル(赤ちゃんのガラガラ)
食用油で仕上げてあり、口に入れても問題ない。クレア ホーム アンド ガーデンにて3千円で販売中。

■クレア ホーム アンド ガーデン
http://www.ruralcottage.net/
■住 所 日野市日野本町7-10-6
■tel 042-582-1313


足踏みろくろでの成形。機械音はなく、のんびりした気分で木と触れあえる。

 

生木を手作業で加工するグリーンウッドワークは、日本ではまだなじみが薄い。4年程前、井丸さんはこの木工に魅せられた。木の手触りや香り、生命力を感じながら世界でひとつだけのものを作る喜びをもっと広めたいと語る。


 明るいリビングに、形の違う木の椅子が10脚ほど並んでいる。そのほとんどが井丸さんがグリーンウッドワークで制作したものだ。
「40代後半になって、ふと気づいたんですよ。ああ、俺って物づくりが好きなんだって(笑)」
 高校は都立工芸高校室内工芸科に通った。大学卒業後は事務機のメンテナンスの会社に就職。その後自営で業務用冷蔵庫修理と、常に手先を動かす環境にあり、物づくりも日常的にしていた。その中で起きた小さな意識の変革だ。
 木工に対する興味が深まり、ある時「GREEN WOOD WORK」という本と出会う。通常、木を十分乾燥させてから加工するのが木工の常套であるのに対して、生木のまま形を作ってしまう手法は新鮮な驚きだった。
 著者のマイク・アッボット氏に習うため渡英し、ワークショップに参加した。機械は伐採時のチェーンソーのみ。あとは手道具を使った手作業だ。
「生木だからできるんです。シャッシャッと木を削っていると、木の感触や香りが気持よくて…。そこには木と人との対話があるように思えます」
 工業製品が市場にあふれる現代において、イギリスやアメリカではグリーンウッドワークは『自然への回帰』として広く受け入れられている。森の中で、自分自身の手で自分だけの椅子を作り上げるという、ある意味贅沢な休暇の過ごし方だ。  リビングに並ぶ椅子のひとつは、夫人の淳子さんの手づくり。イギリスから戻った井丸さんの手ほどきで作った。
「木工になじみのない女性でも、楽しめますよ。時間を忘れて夢中になります。一日中これだけやっていたいくらい(笑)」と淳子さんは話す。
 現在、井丸さんの作品は日野市にある輸入雑貨店『クレア ホーム アンド ガーデン』で販売している。昨年、同店主催でスツール制作のワークショップを行い、10代から60代の男女が参加した。皆で同じものを作っても、仕上がりは個性に富んでいる。「ジョイントの部分だけは気を使いますが、それ以外はわいわいがやがやと失敗も楽しみながらやっています」
 グリーンウッドワークでは、接着剤や釘などを一切使わない。乾燥させた木と、半乾燥した木を組み合わせることで収縮率の差が生じ、はずれなくなる仕組みだ。
 しかし、生木で作った椅子は、時間の経過でガタつきが出たりしないのだろうか? その質問を受け、井丸さんは椅子の1本の脚に厚い手帳を敷き、段差を作った。促されて座るとガタつきは感じない。椅子のしなりが床面の凹凸も人の動きも柔軟に受け止めてくれる。椅子に包まれるような感覚だ。
「伐採した木材を荒削りする時、フローという専用の手道具で木を裂きますから、木の繊維を断つことをしないんです。繊維が活かされた木材は柔軟で丈夫です。木を割る時に立ちのぼる香りも楽しめます」
 3月から自宅前の工房でワークショップを開始する。6畳程のコテージは井丸さんの手づくり。石を積んだ土台の上に手づくりの薪ストーブがある。
「石に熱が伝わって部屋全体がじんわりと暖かくなるんですよ。ここで音楽を聞いたりするのが最高です」。まるで森の中の山小屋にいるような気分になれる空間だ。  スツール制作のワークショップは原則として4回。それに1〜2回の延長は料金内でできることにした。
 「手作業の速さに個人差がありますから、時間に追われず楽しさを十分味わって欲しいんです。出来上がった椅子は、使い込むことで表情が変わっていきます。永く愛着をもって使っていただけると思います」
 欧米のような長期休暇はなくとも、心豊かな時間を楽しめそうだ。

 

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